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カンボジア見聞録


                            H28.10.08
 新シリーズ
 カンボジア見聞録 22(隣国との国境)

                       カンボジア在住
                       柴田幹雄

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 カンボジアは、タイ、ラオス、ベトナムに国境を接し、南西側の一部が海に面しているもののほとんどが陸続きの国境に囲まれている。
 島国の日本もそうだが隣国とは関係が深いがゆえに摩擦が大きい。カンボジアもまた然りである。タイ国境、ベトナム国境もいくつかの箇所で確定しきれていない部分があり隣国とは微妙な関係になる。

1 カンボジアの地形を見て思う
 カンボジアの面積は18万平方キロで日本の約半分。ほぼ中央に広大なトンレサップ湖があり、これに流れを発するトンレサップ川がプノンペンでメコン川に合流する。湖と両河川の流域は平坦で、ほとんどが標高100m以下である。南西部にカルダモン山脈、北部はタイ国境となるダンレク山脈、北東部はラオス、ベトナムに広がるモンドルキリ山地があり国全体が一つの盆地のような地形である。(地図:wikipedia)
 昔の癖で、境界を見るとどちら側が高いところを取っているか気になってしまう。高いところを取っている方が軍事的に有利だからだ。南西のカルダモン山脈はほとんどをカンボジア側が持っているが、北のダンレク山脈、モンドルキリ山地は高い側はタイ、ラオス、ベトナムが保持している。特に北側のタイ国境を構成するダンレク山脈は、標高600mほどで台地状であり、いわばタイ側から台地がせり出してきてストンと落ちたような地形である。分水嶺を国境としているのだが地形上分水嶺はかなりカンボジア側に近く、両者の主張の違いで確定していない部分もある。日露戦争の時旅順港を砲撃する観測点を取るため203高地の争奪戦になったが、高いところを保持しているということは軍事的には大きな意味を持つ。タイとの国境確定できていない高台にある観光地として有名な遺跡プレアビヒアがある。
 プノンペンからトンレサップ湖の西側を通り、プルサット、バッタンバン、シソポン(地図:wikipedia)を結び、タイ国境の都市ポイペトまで続く国道5号線を走るとほぼ全行程で地平線が見えるほど平坦地である。雨期には国道5号線は道路の両側が湿地帯のようになる場所も多く背の高い草や灌木が水面上に出ている状態で、乾季に通った時と風景は一変している。雨で増水しトンレサップ湖は何倍にも広がる。
 内戦は国内いたるところで行われ、このような平地でもおそらく戦闘があったと思われるが、自分が指揮官だったらこんな地形でどうやって攻撃、防御をしたのだろうかと考えてしまった。
 地域によっては高さ1mを超すようなアリ塚が群生しているところがある。雨期になるとあたり一面水浸しになり、アリ塚だけが水面から顔を出す。座る場所とてないから、人はついアリ塚に上って休憩したがるが、内戦時代にその心理をついてアリ塚の周り対人地雷が仕掛けてあった。大きな木、アリ塚の周りは要注意である。


                      つづく

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