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カンボジア見聞録


                            H28.08.12

 カンボジア見聞録 13

                       柴田幹雄
                       カンボジア在住

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CBPD(地雷処理事業)
 CBPDも能力構築だから教育訓練だが、ERWが教場や教育施設としての爆破場などを利用して行っているのに対し、こちらは区担当支部のDU2と調整して野外教場で講義しつつ実際の地雷原に行き、実地の訓練として地雷を処理をしている。
 カンボジアの歴史的経緯から地雷はカンボジアの西半分のタイに近い地域に、不発弾は東側半分のベトナム、ラオス国境に近いところに多い。CBPDはカンボジア中央にどんと広がるトンレサップ湖の西、バッタンバン州バッタンバン町に民家を借り上げ事務所にしている。教官は施設科出身の元自衛官、高木さんと今井さんの2名である。地雷処理現場は事務所から車で−時間ほど行ったところに、公民館のような自治体の建物の敷地にテント張りのベースキャンプを設定し、厨房、駐車場などを設けて作業拠点にしている。ここでの処理に当たるのは経験豊富な教導小隊と今回初めてJMAS派遣されてきた機動小隊(被教育者小隊)で、人力処理チームと地雷処理ドーザーや灌木伐採車などを装備する機械処理チームからなっている。

 地雷原はそこからさらに車で少し行った先の灌木のある草地である。全国の地雷原を地元民からの聞き取り調査、実際の偵察などにより確認、表示し、CMACがそれらをまとめ地雷汚染地図を作成した。その中からJMASの構想に基づきCMACや地元自治体の関係者と相談し次に処理する地雷原を選定する。現場では、GPSでその地雷原の現地の座標を取り大きな方眼紙に展開し、メッシュ状に細分化した地雷原の区割り図を作り地雷処理の管理をする。 地雷処理チームの隊員(デマイナー)はやはりCMACが編成してくるのだが、その際地元の地区、村から推薦された人も選ばれている。かつては内戦で夫を亡くした女性などを救済する意味もあって女性デマイナーも多かった。現在も一割くらいの女性がおり、中には夫婦で編成に入っているケースもある。
 地雷処理は機械処理と人力処理がある。機械処理では、まず灌木を日立製作所製のブラッシュカッターというパワーシャベルのシャベルの部分に巨大な回転式バリカンといった感じの機材を付けて立ち木を粉砕していく。その後ブルドーザーのブレード部に歯の付いた回転ローラーを付けたいわば地雷処理ドーザーで対人地雷を破砕処理する。これらの機材は対人地雷に対しては防護されており安全である。この地雷処理ドーザーは、トミカの1/42ミニカーシリーズにコマツ対人地雷除去機として入っていて、わが事務所玄関ロビーにだいぶ古びた一台が飾られている。
 一方人力処理は、電気掃除機のような形の地雷探知機で地表を探知し、金属片などがあると警報音が鳴る。そこを5cm幅くらいの刃の付いた工具を使い手探りで地雷を掘りあて、原則的にはその場で爆破処理する。写真は展示のため探知した金属片を掘り出す動作をしている女性デマイナーである。こうして機械処理、人力処理について日本人教官が教えつつ、実習として地雷原の処理をしている。また小隊長及び経験者には計画作成、安全管理、ブリーフィング要領、教育法などのリーダーシップ教育ともいえる内容も教えている。

                      つづく

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