平成21年9月初旬の記事




9月10日
今朝の産経に評論家 石平氏が「ある中国人戦略家の国防観」というエッセーを書いています。元少将の退役軍人が書いた論文に描かれた中国の国防観は、中国にとって全面戦争の脅威は現実のものでは無くなっているとしながらも、「国防の強化に一刻の猶予もない」と訴えていると言います。脅威が無くなったのに、何故、と中国人以外の人は誰しも考えるでしょうが、論文では敵対勢力が台湾、チベット、ウィグルなどの問題を衝いて中国の混乱を企図するからだそです。

石平氏は、この論文が書かれた背景を「敵対勢力は中国の発展を阻止しようとする」という妄想に近い世界観の上に立って中国の国防戦略を考えている。あるいは彼らは、中国の軍事力のさらなる強化を正当化するために、このような独善的な世界観を意図的に吹聴しているのかもしれない。」と推測しています。

10月1日は60回目の国慶節です。昨年の北京オリンピックで愛国心の高揚が最高潮に達しましたが、国慶節では10年振りの軍事パレードが行われることになっています。北京市内では既に年初から国慶節のパレードに参加するための女性兵士募集の広告が張り出されているそうです。17歳から25歳まで、身長163センチから175センチ、試験をパスしたら10カ月間の特訓を受け、その中から選抜されたものは、国慶節の晴れ舞台に立つことができるということです。

建国60年で、米中G2体制とまで言われるようになった中国です。中国人が、特に若者たちが中国を誇りに思う心は一層高まっています。その一方で、国内に抱える課題は山積していますが、それを糊塗し転換させる手段の一つが若者に対する愛国心教育です。石平氏が紹介した論文も、中国には敵対勢力が存在することを強調し、愛国心を鼓舞することがその意図に入っていると思われます。

同じく今朝の産経は桜井よし子氏の「次期首相に申す 中国の動きを注視せよ」を掲載していますが、この中で桜井氏は東シナ海のガス田に注目しています。再三にわたる日本側の申し入れにもかかわらず、中国は共同開発の対象であるガス田を勝手に進めているとのこと、このような行為の背景には中国国民の強国への強い願望があります。中国政府が対外政策で少しでも譲歩するような気配を示すと、若者たちから強い反発が起こるのです。

国慶節パレードで、軍はその強力ぶりを誇示するでしょうし、それを見た若者たちは一層誇りを感じ、愛国心を鼓舞されるでしょう。その結果として、対外政策が中国政府が意図するレベルよりも強い姿勢を示さざるを得ないことになる恐れが多分にあります。それに対し、軍も積極的に政府に協力する姿勢を取るでしょう。そして、更に勢力拡張を図る方向が見えるような気がします。


9月9日
韓半島、DMZ近くを流れる臨津江に北朝鮮にある上流のダムが放水し、数人の犠牲者がでたことが報じられています。韓国は北朝鮮に抗議し、北は今後放流する時は通知すると応じましたが、謝罪の言葉はありませんでした。

韓国紙が報ずるところによれば、韓国軍の監視所が増水を視認、上級司令部へ通報しましたが、軍として特に処置は取らなかったのだそうです。しかしながら、下流では戦車部隊が演習中、10台の戦車の中1台が水没する被害が出ました。北がダム建設をして以来、放水による臨津江の急な増水対策として、水位計が設置されており、これによって警報されるシステムになっていたようです。軍もそれに依存し、増水を知りながら他へ伝えなかったということです。その時、機転を働かせば事故は防げたのです。

同じようなことが日本国内でもしばしば起きています。マニュアル漬けになり、想像力が働かない、機転がきかないなどですが、最近は生きて行くための智恵を働かすことができない人が増えているような気がします。

「放流源の黄江ダムは昨年竣工しましたが、GOOGLE EARTH で見ることができます。韓国側の放水対策であるダムの建設現場らしい場所も見ることができます。」

民主、社民、国民新の各党が連立のための協議を続けています。最後の焦点となっている外交・安保は予想通り難航、今日に結論を持ち越しました。恐らく各党の主張を玉虫色に粉飾した文言で合意することなるのでしょうが、実際に具体的な問題に当たった時には衝突は不可避と思います。民主党は条件付きながら自衛隊の海外派遣容認、社民党は絶対反対なのですから、常識的には合意の余地はありません。社民党は党の政策を貫き連立に加わることは回避するべきです。

16日に予定される首班指名で、自民党は大揉めの末、若林元農水相を指名することに決したとか。首班指名の時までに総裁選びができずにいることが最大の問題点です。辞任を表明している総理に投票するのはおかしいし、さりとて白票を投ずるのは国会議員としての義務が果たせないとのこと、困った時の若林さんだそです。若林氏が総理に指名される可能性は無いにしても、誰でも良いから一人の名前に統一したいという理屈は頂けません。自民党は既に政権への意欲を失っていると感じます。


9月8日
鳩山代表が温室ガス90年比25%削減を表明しました。この目標が我々の生活にどのような影響を与えるのか、見当も付きませんが、単純に考えれば石油燃料によるエネルギー消費を25%減らすということでしょう。電力で言えば、6割が化石燃料に依存していますので、その相当分だけでも減らさなければなりません。

化石燃料に変わる代替えエネルギーへの転換など、現在のエネルギー源を変えて行く施策が必要となりますが、どんな姿になるのでしょうか。国際エネルギー機関(IEA)事務局長の田中伸男氏によれば、世界が3%の経済成長をすると気温上昇が2℃あると予測されるが、これを押さえるには省エネで54%、低炭素エネルギーの導入で32%削減K必要があり、これで目標は達成できると試算されるそうです。

つまり、徹底した省エネをやり、風力発電、太陽光発電、原子力発電などを大幅に増強することが必要だということです。その為のコストは世界全体で30年度までに9兆ドル(900兆円)に達するとのIEAの試算があります。この1割強を日本が負担すると仮定しても、90兆円、年間約10兆円です。今年度予算の規模は約80兆円ですから、支出可能な金額かは誰でも理解できることです。

鳩山代表の25%削減が、どのような数字の金額負担になるのかはっきりしませんが、理念の表明は結構としても、こうすれば削減可能だという裏付けがないと、これもバラマキ政策と同じことです。

報道によれば、民主党の政策実行に必要な財源確保は、はや苦戦に陥っているとのこと、耳障りは良いが、足元が固まっていない政策を民主党は平然と出しているのではないかという疑念が沸きます。


9月7日
パンナム機爆破犯でスコットランドで服役していたビア人の釈放が実現することになりました。この処置に対し沢山の批判が出、また同調する文書が出ており、更に米国や欧州諸国の間には釈放に反対という意見がでています。

爆破犯が末期の前立腺ガンで、人道的処置が必要だというのが英側の説明であり、多くの英国人もその説明に納得している様子ですが、米国側は意見が異なっています。クリントン国務長官は「恐ろしい犯罪にかかわった証拠がある受刑者を刑務所から出すのは間違いだ」と反発しました。

この事件を単純化して考えて見ます。末期癌のテロリストを人道上の処置として釈放するのは可か不可かと問われたとすれば、皆さんはどう答えますか。当初は私も人道的には一時的な釈放は認めるべきだという考えに傾きました。英国もそのように考えての処置だったと思ったのです。

ところが、その背景には様々な事情が絡み合っていたのでした。その最大のものは、英国がリビアの石油を喉から手が出るほど欲しいという状況があります。それをもって釈放という司法の処置を取るよう、リビア政府が英政府に圧力を掛けたという噂までがあるのです。

米国にしてみれば、テロリストに情けを掛けるのはとんでもない事、テロとの戦いの切っ先を鈍らせることになり、爆破犯がリビアに帰国すればヒーロー扱いされることにもなる、更にはテロリストに誤ったメッセージを送ることになる、というのが大方の意見のようです。

対テロ戦争で米国と協調してきた英国ですが、米国の強い不快感にも係わらず爆破犯を釈放しました。閣僚の不祥事などで危機的状況にあるブラウン政権が、俺は強いのだと見栄えを切ったようにも見えますが、真相はどうなのでしょうか。


9月6日
裁判員制度が始まり、幾つかの裁判がこの制度の下で行われました。判決の結果を見ますと、刑が重くなる傾向が見られます。今回の青森の例ですと、求刑と判決が同じ量刑になりました。市民の眼から見た罪の重さと、これまでの裁判官が培ってきた判例の差異が出てきたことは有意義と感じます。

しかしながら、裁判員として裁判に加わった方々の話では、裁判に関わっていた間、重圧を感じたといい、その心の負担はかなりのものであったことが推察されます。これまで死刑を判決する例は出ていませんが、他人の死に直接かかわることはあり得ない市民が、被告に死を宣告することの心の葛藤は思うに余りあります。ましてや、裁判員制度の適用は重大な刑事事件に限られているのです。

自衛官は裁判員に就くことは出来ないと決められていますので、 現役の時は関わることはありませんが、何か人ごとではないような気がします。と言いますのは、自衛官の宣誓に「事に臨んでは危険を顧みず」という文言があります。これは自らの命だけでなく、部下の生死にも深く関与する命令を発しなければならない場合が想定されるからです。

自衛隊は、海外などで活動する場面も、隊員を生命の危険に晒さない様に慎重に選定されてきました。その意味で、軍人としては過保護とも言える状態に置かれてきたのです。サマワで活躍した陸自隊員やイラク上空で空輸活動に当たった空自隊員達は、これまでで最も生命の危険を感じる場面で働いた人達と言えましょう。

民主党はインド洋における海自の給油活動を止める代わりに、代替えのアフガン支援を考えるとしています。これがどのような形になるか全く分かりませんが、少なくとも陸上で活動することになれは、犠牲者が出ることは予測しなければなりません。自衛隊が支援活動に参加するかどうか今のところ分かりませんが、命の問題とどう対処するか、考え続けて置かなければならないと思います。


9月5日
今朝の朝日は、五百旗頭防大校長の「歴史の中の二大政党」という論文を掲載しています。この論文は長文ですので、一部を引用すると論旨を誤る恐れがありますが、防大校長の論文ということで、ここに紹介します。皆さまにはなるべき原文を読んで頂きたいと思います。

論文は、民主党の政権獲得を受け、これからの政治は二大政党であるべきであるとした上で、この後に続くのは、おそらく民主党の長期政権ではないと予測し、仕事のできる有能の士を要所に配し、強力なベストチームをつくらねば、(民主党は)政治の烈風に吹き飛ばされるであろう、その上で、短期間で政権交代を繰り返すことは国益に叶わない、政権は格別に有能でなければ2年ほどで限界をきたすであろうと助言しています。また、野党即ち自民党は政権の収穫逓減を待ち、満を持して自らの政治を展開するサイクルを形成せねばならない、と述べています。

安全保障政策では、「戦後日本は日米同盟など国際的連携を大事にする外交を展開して来たのであり、この基本を踏み外せば、長期にわたり国民的繁栄の基盤を失う」として、インド洋における給油活動は日本の国際的連携を体現する活動であるとした上で、「民主党政権は、オバマ政権との間で環境とエネルギーをめぐって世界大の協力関係を確立ずることが得策であり、あれこれのやっかい(給油活動など指すのでないか)は小さな問題となる。鳩山首相がそうした器量であることを期待したい。」と結んでいます。

論文全般を通じ、二大政党による円滑な政権交代が行われ、政権にある時は力を尽くし、野にある時は力を貯める事が大切であると言い、二大政党交代制のメリットを享受するべきだと言う論旨と見えました。

民主党が今行っている政権移行の状況、人事の状況など見ますと、五百旗頭氏の言う方向とは若干の食い違いがあるように感じられます。これから参院選までの期間、民主党は国民の支持を保つべく全力を尽くすでしょうが、政権発足後のいわゆるハネムーン期間の習慣がわが国にはありません。マスコミがどう新政権を報道し評価するのか、自信を失ったかに見える自民党がどう巻き返すきっかけを作るのか、民主党は生活に直結する政策をマニフェストを示していますので、我が家の家計にも響きます。


9月4日
一昨日の本欄で触れました八ツ場ダム、国交省の工事入札中止の処置に鳩山代表は当然だとし、民主党は工事中止の方針を維持するとしました。テレビも八ツ場ダム現地の状況を放映していましたが、高い橋脚が数本建てられている風景が見られました。工事中止でこの橋脚をどうするのか、道路工事だけはやるのか、それとも撤去するのか、放置するのか、気になります。

鳩山代表は、このダムが本当に必要なのかと問い、無駄な工事だとしました。この見解に対し、読売は2日付けの社説で「八ッ場ダムは、建設現場となる地元の町に加え、水の供給と治水の恩恵を受ける流域1都5県が推進の立場だ。選挙で公約したからといって、民主党が中止を無理強いできるような状況とはいえない。」と言い、このダム建設中止の判断は間違っていると主張しています。

首都圏に済む人達の水瓶は現在は奥利根水系に頼っていますが、数年に一回の割合で渇水に悩まされています。例として首都圏では、昭和39年(東京オリンピック渇水)、昭和62年、平成6年(列島渇水)などがあり、平成8年にも首都圏で渇水がありました。この状況を緩和しようと首都圏の自治体が資金を拠出し、国が出す金額を上回る6割の工事費を負担し、ダム建設が開始された経緯があります。

このような状況を見ますと、八ツ場ダムが民主党によって人身御供にされているのではないかという気がします。民主党がこのダムとあわせて中止するとしている熊本の川辺川ダムは地元の知事も建設反対なので、中止は理に適いますが、八ツ場ダムは首都圏の知事達が必要だからとして金も出しているのです。

民主党が主張する普天間移設の見直し、米国から国との約束だから見直さないと釘を刺されました。既に進行中のダム建設も関係自治体、周辺住民にとって同じではないでしょうか。


9月3日
今朝の産経掲載、「東京特派員・湯浅博 君子の豹変を希望する」に次の言葉がありました。即ち、「オバマ発言をもって、彼が「平和主義の司祭」と考える人は、よほどの楽天家であろう。むしろ、あのブリアンも、いまのオバマ大統領も「狡猾なる戦略家」と考える方が妥当だ。」と。

核兵器が無くなった時、世界はどう変わるか、考えるて見ると怖い世界です。核兵器を作る技術は既に知られ、何時誰が核兵器を製造するか分からない、核のテロに脅える日常が始まります。核兵器廃絶で世界が平和になれば結構なことですが、廃絶と平和とは全く関係ありません。核兵器が出現していなかった時代へと逆戻りする一方で、目に見えない隠された核の恐怖が何時もつきまとうのです。また、核によって抑制された戦争への敷居が低くなり、紛争は多発し、過去の世界大戦のような戦争が起こらない保証はありません。

湯浅記者は、鳩山代表がオバマ大統領がプラハで行った核廃絶演説に同調して核廃絶を唱えることに対し、「鳩山代表がかの狡猾外交を知らず、「核廃絶」の絶対平和主義をうたい上げるだけでは、「信頼に足らず」と見なされよう。核削減に必要なのは、力の均衡を崩さずにほどよく減らすことである。」と書き、鳩山代表が理想主義的な核廃絶を志向するなら、それは現実的でないと言っています。

世の中には既に核兵器が存在しているのですから、タイムスリップして核が無い時代へ戻ることはできません。オバマ演説の核廃絶はお題目で、核拡散を防止することに眼目があることは演説を読めば誰でも理解できることです。

鳩山代表は、自己のホームページに憲法改正試案を今も載せています。それには集団的自衛権を確立する、自衛軍を保有すると書かれています。祖父 鳩山一郎氏の唱えた友愛精神を言うなら、同じく一郎氏の再軍備と改憲の公約を継承して頂きたいものです。数合わせで社民党や国民新党と理念に合わない連立合意をすれば、民主党に投票した人々に対する変節と言えましょう。


9月2日
民主党は公共事業の見直しを公約しています。その目玉の一つが群馬県吾妻郡の八ツ場ダムの建設中止です。昨年夏、水没することになっている河原湯温泉で一泊し、もう見られなくなるだろう古い温泉街を散策して来ましたが、既に道路や鉄道など周辺工事はかなり進んでおり、本体工事は今年始まることになっています。このダムは水害対策の面もありますが、首都圏への給水で大きな役割を果たすことになっています。茨城県、埼玉県、千葉県及び東京都の水道用水及び工業用水を供給することで、これらの自治体からその早期完成を要望されているということです。

埼玉現知事は鳩山代表に建設推進を要望するなど関係自治体は水源確保の必要性を唱え、水を利用する茨城、群馬、埼玉、千葉、東京の1都4県がこれまでに約1460億円を拠出しています。地元の代議士は小渕優子氏、民主党が対立候補を擁立できなかった選挙区ですが、小渕氏も地元の要望もあって何とか建設したいと言っています。このダムが必要性がない事業なのか、これまでの投資を無駄にした方が良いのか、民主党の財源確保の手段の一つなのか、財政赤字の国は困難な決断を迫られています。

これとは対照的に、中国は第二のチベット鉄道を建設すると産経が報じています。この鉄路は、現行の西蔵鉄道が成都から北上して青海省を通るのに対し、成都から西行しチベット自治区の東端からラサへ向かう317号道路沿いに建設されると推定されます。この317号線は猛烈な悪路で、災害で途絶することなど日常茶飯事と言われますから、この累々とした山岳地帯を通過する鉄道は恐らくトンネルばかりとなると思います。こんな事業は今の日本でしたら考えられることはないでしょう。

この事業の背景には、中国軍のインドへに対する軍事的要請があると思われます。平穏に見える中印国境ですが、インド軍はインド洋方面のみならず国境にも着々と対中布陣を敷いています。これに対する危機感が中国にはありますが、周辺国の軍事的脅威をまるで感じていない日本との差も顕著です。


9月1日
ニューヨークタイムズに掲載された民主党鳩山代表の論文が内外で論議を呼んでいます。先月29日に朝日が紹介した米国識者のこの論文に対する反応について本欄で書きましたが、今朝の産経も米国内で批判的な発言が続いていることを報じています。これに驚いてか、鳩山代表本人がニューヨークタイムズ紙に寄稿した事はないと言いましたが、少なくともこの論文が鳩山代表の手によって書かれたものであることは間違いありません。

論文はネットで読むことができ、日本語の翻訳も出ています。論文は、最初の部分で米国の経済政策を批判し、その結果日本の伝統的経済活動が壊されたと言い、日本が向かうべきところは東アジア共同体であるとしています。その根底に友愛の精神があるべきだと説いているのです。

鳩山代表は最近「日本は日本人だけのものではない。」と発言しています。この眼で論文の最後の部分「地域的な統合と共同的な安全保障は、日本国憲法によって提唱されている平和主義と多国間協力の原則を実現する、我々が進むべき道であると私は信じている。それはまた日本の政治的・経済的独立を守り、米中に挟まれた我々のポジションにおいて利益を追及するための適切な道である。」を読むと様々な見方が出来ます。

今朝の産経に岡本行夫氏が「鳩山さん、よく考えてください」というエッセーを書き、鳩山論文には「日本がアメリカと同盟関係にあるという意識はない。」と言っています。鳩山氏の「(地域的統合と共同的な安全保障は)米中に挟まれた我々のポジションに置いて利益を追求するための適切な道である」という言葉は、まさに日米間の安全保障条約を無視しているものと言えましょう。

更に考えれば、鳩山流地域的統合論は日本のアイデンティティーを無視するものでは無いか、昔の大東亜共栄圏構想は日本主導のものでありましたが、鳩山氏の考えはまさに日本は日本人だけのものではないという考えに基づくものと言えましょう。鳩山氏は、この論文は反米的な考えを示したものではないと述べたそうです。でも、カチンと来ている米国の政府関係者、識者が多いのです。