平成20年7月中旬の記事
7月17日 大分県の教員採用汚職で、不正採用を取り消し不合格者は救済するという方針を大分県教育委員会は出しました。これは、時間を戻して本来あるべき状態に戻すという一見当然のことに見えますが、人事に関することは不可逆です。ましてや、何年も前から行われていた不正ということであれば、関係する人達の人生を巻き戻してリセットするなどということは、出来ないことは明白です。 教育委員会は事態が発覚して、大慌てで何とか言い訳の立つ処理をしようとしたのでしょうが、かえって事態を混乱させてしまいました。 北朝鮮の核開発について、六カ国協議での当初の米国の姿勢は「完全な、かつ検証可能な、不可逆的な核廃棄」でした。この姿勢はずるずると後退し、今は肝心の核兵器については検証のための申告の外に置かれてしまい、不可逆と言う言葉は行方不明です。 おおよそ、人間社会の推移で可逆なもの、即ちリセットできるものがあるかと言えば、NOでしょう。核開発も同じです。米国の不可逆的な核放棄という意味は、開発が進められている北朝鮮の核開発を後戻りさせ、北の政治的の意図はどうあろうと、物理的に核開発が出来ない状況に置こうという意と思われます。しかし、意志あるところに道ありで、北は既に核実験を行い、保有する核兵器を放棄することはないと言うのが大方の見方になっています。 仮に北朝鮮が核兵器を廃棄したとすれば、これは不可逆ではありません。相当の力を加え続けないと、核武装に走ることができます。可逆が可能なのは科学的な実験の場でしかあり得ません。時間の経過という要素を解決できないからです。全ての事象は不可逆と考えれば、大分県教育委員会の措置も、北の核に対する米国の方針も誤っているのです。 7月13日 今回の六カ国協議が終わり、米朝両国は満面の笑顔、日本は不満の仏頂面でした。ふと百人一首にある西行法師の歌、「嘆なげけとて 月つきやはものを思おもはする かこち顔なる わが涙なみだかな」が頭に浮かびました。勿論この歌は月を眺めながら実らぬ恋を歌っているのですが、米国の不実にかこち顔をしながら涙を流す日本の姿が重なります。拉致問題の調査を約束しながら、その後は知らんふりをする北朝鮮、これを見て見ぬふりをする米国、自力で問題解決をすることが出来ない日本は、情けない事にかこち顔で涙するしかありません 7月12日 最近陸自1佐という新聞見出しが目に留まります。今朝の新聞によれば、陸自1佐が目黒区の住宅敷地に侵入し、プールに転落死しているのが発見されました。また昨日未明、陸自1佐が埼玉県朝霞市の駅前の路上で28歳の女性の尻を触り、逮捕されました。 少々旧聞ですが、民間人に違法射撃をさせていた陸自1佐がカルトの協力者だったと断定される事件がありましたしが、この1佐は空挺団の群長でした。また、他の1佐が2005年には陸幕開発課に勤務していた時、「野外炊具」の改良をめぐり、予算要求状況などの情報を漏らしたり、サンプル説明会で某社を後押ししたりするような発言をするなど有利な計らいをし、見返りに現金数十万円を受け取った疑いで逮捕されています。 1佐という地位にある幹部自衛官が民間企業の誘惑に負け汚職するということは、あってはならないことではありますが、考えられないことではありません。しかし、女性の尻に触るとか住宅に侵入しプールに転落死するとは、人物の人間性そのものの軽重が問われます。1佐に昇任させた人事の評価も問いたくなります。 イージス艦衝突事故に引き続き、護衛艦に放火した海自隊員が逮捕されるという不祥事が起こりましたが、自衛隊全体に士気の弛緩があるのではないかと国民に見られても弁解できないような状況が続いています。何か根底に共通する社会的原因があるように感じられますが、それを徹底して究明して頂きたいと思います。このようなことが続き、信頼できない自衛隊になって欲しくありません。 7月11日 六カ国協議が再開され、北朝鮮の核計画申告書の内容が明らかになりましたが、核計画の全容を示すものではありませんでした。これをもって北朝鮮はエネルギー支援などが不十分だと主張、引き延ばし作戦を始めた模様です。 日本は拉致問題解決までエネルギー支援をしないという立場を続けていますが、ここに来て日本の支援分を韓国が肩代わりするという案が出ていると報じられています。ヒル国務次官補の「北は支援が何処から来るか気にしていない」という発言から推測すれば、米朝間のネゴがあったように思われます。これまで北朝鮮は名指しことしませんでしたが、支援に参加しない国があることを非難していました。 韓国が肩代わりすれば、拉致問題は六カ国協議の枠外に置かれることになりましょう。北朝鮮が約束した拉致被害者の調査も、置き去りになります。ブッシュ大統領の拉致を忘れないという言葉は空々しく、米朝間で着々と拉致外しが行われています。 |
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