三木会は平成24年4月19日(木)1400〜1600、グランドヒル市ケ谷において、前ポーランド防衛駐在官の空幕武官業務班長 谷嶋 正仁1佐(B34)を講師にお迎えして「ポーランド事情」と題して講演会を開催しました。
講演会では、谷嶋1佐の経歴紹介のあと、おおむね以下の内容について講話されました。
I ポーランドという国
II 国家安全保障戦略
III 米MDシステムのポーランド配備
IV 米軍部隊のローテーション駐留
V 政府専用機の墜落事故
VI 中国との関係
歴史的にソ連と欧州の中間に位置し、国家体制の影響を受けやすい国です。
その中にあって自国の安全保障に意を用いてきた国についての講話はきわめて興味深い内容でした。
例えば、イラクから発射されたミサイルは、ポーランド上空を経由して米国に届きます。このため、ミサイルを自国内から迎撃するため米国と協議し、米MDシステムを自国に配備させようとポーランドは諮ります。ブッシュ政権下における協議は成功しつつあるかに思えたとき、米国はオバマ政権に交代し、MDシステム配備は白紙に戻ります。
ここからまたポーランドの活動、巻き返しが始まります。NATOも含めたMDシステムとともに、以下に米国の軍隊を自国に駐留させ、安全保障を確実なものとするか、ポーランドの努力は続きます。
また、カチンの森事件70周年記念式典に参加するためカチンスキ大統領夫妻等要人を乗せた政府専用機が、ロシア西部のスモレンスク飛行場への着陸に失敗して墜落、乗客、乗員96名全員が死亡する事件がありました。墜落の原因は?大統領はじめ、国防相等要人を一斉に失ったポーランドが執った処置は?
いやー、いいお話でした。このほかにも興味深い内容がたくさんの講話でした。聞いた人だけが得をする講演会、次回の参加をぜひともお待ちしております。
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