ニュース2012年3月3日



防衛省 F35契約を6月までに最終判断


 3月3日、日本テレビ系のNNNは、「航空自衛隊の次期主力戦闘機「F35」について、予定通り契約する場合、日米両政府が6月までに価格や納期を決めて書面を取り交わす方向で調整していることがわかった。」と、動画ニュースで伝えました。これは、先に田中防衛大臣が「この契約を取りやめるか、あるいは新たな機種選定に入るか、そういうことも視野に入れなければならない」と発言した内容と軌を一にしたものと思われます。

 記事は続けて、「防衛省は、次期主力戦闘機について最新鋭ステルス機F35の導入を決め、来年度予算に一機99億円、4機分を計上している。しかし、F35はアメリカの国防費削減に伴って調達が先送りにされ、価格の高騰や開発の遅れが問題となっている。
 防衛省幹部によると、予定通り契約する場合、6月までに日米両政府の間で価格や納期を決めて書面を取り交わす必要があり、この方向で調整を進めているという。
 田中防衛相は契約取りやめの可能性にも言及しているが、6月までに最終判断を求められることになる。」としています。

 F-35について、価格の高騰や開発の遅れが問題となっているとしています。反面、空軍型のF-35Aはすでに部隊に配備されて、特に大きな問題も報告されていません。F-35Aの導入をやめて代わりの機体があるのか。米海軍もF-35Cを後継機としようとしているF-18を今から入れるのか、また、タイフーンを入れるのかが明確ではない。タイフーンは、すべて情報開示、技術供与するとの条件は提示されているものの、新たに開発した技術はBAEシステムズに帰属するというのでは違和感を感じます。

 防衛省のHPに掲載された「航空自衛隊次期戦闘機(F−X)の整備について」中の「Q4.次期戦闘機にはどのような性能が求められたのですか。」には、以下の回答が記載されています。

 最近の高性能戦闘機にも有効に対処可能
 十分な巡航ミサイル対処能力
 ネットワーク型戦闘においても実効的に任務を遂行可能
 マルチロール(多機能)機
  制空戦闘能力
  航空阻止能力(空対地攻撃能力)を具備

 これらの要求性能も変わるのでしょうか。在日米軍、豪空軍、韓国空軍がF-35を装備し、ネットワーク型戦闘を目指す中、日本は第4世代機で個別的独立戦闘を目指すのでしょうか。


 FMS制度についても価格決定権を日本が有するような書き方をしています。実現すれば画期的なことですので、これについても関心を持ってみていきたいと思います。参考URLを以下に書いておきます。


関連URLも参照してください。
日テレ系の動画ニュースです。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20120303-00000000-nnn-pol

防衛省「航空自衛隊次期戦闘機(F−X)の整備について」は、こちらから。
http://www.mod.go.jp/j/approach/others/shiritai/a4.html

FMS制度の概要と問題点、防衛省の取り組みについては、専門的になりますが、こちらが参考になります。
FMSは先払いの概算契約です。それを当初見積価格の確定契約で販売せよと言ってるようなものです。細部については、お近くの調達幹部にお聞きください。
http://www.mod.go.jp/j/approach/others/equipment/sougousyutoku/pdf/siryou/07_03.pdf