ニュース2011年12月23日



国内企業の参画比率4割=三菱重工業など3社選定−防衛省

  12月22日付の時事通信社は、「航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)に決まったF35について、防衛省は20日、国内での製造・修理に参画する企業として、三菱重工業(機体)、IHI(エンジン)、三菱電機(電子機器)の3社を選定した。参画比率は全体で約300点ある構成品のうち約4割を占めるという。 」と伝えました。

 FXがF-35に決定された後も多数の関連報道があります。決定の経緯に異議を唱えるものもありますが、多くは妥当な決心としているようです。この取得、生産手段に関する記事は、以下に”FACO"という言葉を紹介しています。

  報道は、続けて「同省によると、米政府と開発主体の米ロッキード・マーチン社は日本側の参画に関し、FACO(機体の最終組み立て、検査)に加え、主翼、尾翼、胴体後部の製造とエンジン組み立てを容認した。」とあります。

  FACOは、まだなじみのない言葉で、その概念が明らかになっているとは言いがたいものの、英国、イタリア、カナダなど、F-35を導入する国の記事ではたびたび聞かれる言葉です。誤解を恐れずに言うと「ノックダウン」が近い言葉だと思います。
  関連書籍は、「Final assembly and checkout alternatives for the joint strike fighter」で、その内容については、以下のURLから確認出来ます。
URL:http://books.google.co.jp/books/about/Final_assembly_and_checkout_alternatives.html?id=01K442XFuFMC&redir_esc=y」
  なお、書籍は日本のアマゾンからも入手できますが、現時点では在庫が無い状態です。

 記事は、最後に「1980年に導入したF15は、当初5割だった日本企業の参画比率が10年間で7割に増加したといい、同省はF35についても将来的な引き上げを目指す。」と、報じています。

  FMSによる取得の場合は、米国議会の承認が必要ですが、現時点でF35の生産分担の割合等を明らかにすることは時期尚早の感があります。また「構成品比率」とは何か。単に構成品の数量比較では、構成品の内容、価格、製造にかかる工数等、具体的なところは不明です。FXの検討過程では、いずれに決定されるのか全く情報が漏れてこない状況でした。生産や取得方法の細部についてもまだ多くの情報が不明のままです。今後の正式発表を待ちたいと思います。

  とはいえ、今後の推移に参考となりそうな記事を紹介します。米ロッキード・マーティン社のフィリップ・N・ジョーガリオ副社長へのインタビューです。ダイヤモンド誌の記事で、今後の推移を考えるに当たり、参考になる点が多いと思います。
  URLは、http://diamond.jp/articles/-/14716です。ご参考までに。



関連URLも参照してください。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201112/2011122000967&g=soc





                 [追加参考資料]

              F-35用のヘルメットです。液晶のHMDを装備し、画像を見る限り複合材で作られ、軽量化が図られているようです。
              40度の視野角を持つ双眼鏡、統合された昼夜兼用のカメラを装備するとともに、600ktからの脱出にも安全としています。

                F-15は、F-4と違った新しい技術とともに導入されました。F-35も新しい技術と運用法を持って導入されることは間違いありません。
                例えば、単なる「対地攻撃が専門」の機体などではないことは容易に想像されます。ベールがはがれていくのを楽しみにしたいと思います。

   
HMDを装備するパイロット   アップ画像−異星人か