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カンボジア見聞録


                            H28.07.09

 カンボジア見聞録 6

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 プノンペンは雨期に入って少し涼しくなったが日中は35度Cくらい。雨期と言っても午後2時〜4時くらいの間にスコールのような土砂降りが短時間あるだけ。日本の梅雨のようにしとしと降り続くという雨ではない。こういう雨は何と呼ぶのか、スコールとか言うのかと聞くと、いやただの雨だ、とのこと。カンボジアの雨はこれが普通だから特別名前もないのだろう。  今回はカンボジアの結婚式と日本の支援で建設された橋について書いてみた。

カンボジアの結婚式に出席
 わが家は以前から防衛大学校へのカンボジア留学生のホストファミリーをしている。防大はASEAN諸国、東チモール、モンゴル及び韓国から留学生を受け入れており、その総数は120名ほどになり、全学生に対する比率では日本の大学の中で最も高いそうである。偶然カンボジア留学生を担当するようになって3年、いま4名のカンボジア学生がわが家の「息子」になっている。彼らは私たちのことを「お父さん」「お母さん」と呼ぶ。最初に教わった日本語の一つらしい。これがまたなんとも面はゆくかつ嬉しいものである。 その中の一人P君のお姉さんの結婚式が近々あるという。カンボジアへ赴任する前から結婚式に出てほしいといわれていた。が、本当に出席していいのか、ご祝儀は渡すのか、いくら包めばいいのか、着ていく服は・・・と気になることも多い。聞いてみると「お母さんは着物で来てほしい。洋服だと中国人と思われるから。」という。お父さんは?と聞くと、答えは「お父さんは何でもいいです」だった。

 結婚式前日プノンペンへ帰省したP君がJMASプノンペンオフィスに立ちより正式の招待状を渡してくれた。朝6時に結婚式場である自宅へ行くことになっている。当日は朝4時起床、家内の着物着付け、そのほか準備をして出発。部屋を出る前から汗が出る。会場へ着くと自宅の庭に大きな屋根型テントを張り入り口は花のアーチの飾り付けがある。カンボジアの裕福な家は庭も広く、結婚式は自宅で行う。P君の家もかなり大きく、テントも張って文字通りのイベント会場だ。P君に案内され式場に入り、そこに並べてある果物などが乗った器をもって外に集合した。そこから100mほど離れたいわば行進発起位置まで移動し、そこで列を組んでさっきまでいた式場に行くという。先頭は新郎とそのご両親、そして私たち夫婦である。私たちの後ろにはやはり果物などを持った親戚、知人一同がずらりと並んで、そこから新婦の家へ赴く。これは新郎が果物、そのほかの食品をも掲げてこんなに裕福で食べ物もあるから、結婚しても大丈夫ですよという意味の行事だとのこと、日本の結納のようなものだろうか。新婦のご両親は、新郎とご両親を含む行列を家の前で迎え、挨拶を交わして式場へ導きいれた。

 結婚した二人は新婦のご両親の家に同居するとのこと。その逆もありまた二人が独立して新たな家に住むこともある。比率としては男性が女性の実家に住む場合が多い。通常結婚式は女性の家または女性側が準備した場所で行う。結婚後も女性の名字は変わらない。子供ができると男性側の名字を名乗る。また独立して新居に住む場合も妻側の家の近くになるケースが多いとのこと。母系家族というほどではないにせよ、女性側に引っ張られている感はある。親にとって息子が遠くへ行くのはかまわないが娘は近くに住まわせたいということらしい。

                      つづく

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柴田幹雄氏


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