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つばさ会は航空自衛隊の諸行事・諸活動への協力・支援等を行う空自OB組織です。

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大韓民国空軍戦友会をお迎えして


                            H28.11.07

 大韓民国空軍戦友会をお迎えして

                       理事 中島 邦祐

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 つばさ会は28年度の主要事業である大韓民国空軍戦友会との交流事業を、10月20日(木)から23日(日)までの3泊4日で実施した。本事業は2004年からの継続事業で、空軍戦友会の訪日は6回目となる。本交流事業の事前調整は、受け入れに万全を期すため4月中旬頃から開始した。駐日韓国大使館 空軍武官金鶴俊(キム・ハクジュン)大佐、航空幕僚監部、航空開発実験集団司令部及び陸自観閲式の各関係者から全面的な御支援と御協力のもと、諸調整等を円滑かつ迅速に行うことができた。関係各位に対し、この場をお借りして深謝申し上げる。
戦友会との交流状況は、次のとおりであった。

1 10月20日(木)
(1) 空港出迎え
  10月20日、空軍戦友会は李億秀(イ・オクス)会長をはじめ2人の元空軍参謀総長を含む10人の訪日団が予定通り羽田空港に到着した。つばさ会は長島専務理事をはじめ4人の理事が戦友会一行を羽田空港にお出迎えし、交流事業を開始した。

(2) 韓国大使主催昼食会等
  一行は羽田空港を後にし、駐日韓国大使主催歓迎昼食会に参加するため、東京麻布にある韓国大使館に向かった。同昼食会には、初めてつばさ会の関係者も招待を受け、吉田会長以下5名が参加した。昼食会の席上、李俊揆(イ・ジュンギュ)大使からは、「過去は直視しつつも、それにとらわれ過ぎず、未来志向の方向に進んでもらいたい。」という言葉や、「安保分野の知見と経験を有し、社会の中で影響力のある両国OBの関係や、その活動に敬意を表するとともに、今後も両国関係において安保分野のリードをお願いしたい。」とのお話があった。
  昼食会後、戦友会一行は、皇居及び浅草方面の文化研修を実施した。
(3) つばさ会主催歓迎晩餐会
  夕刻、吉田つばさ会会長主催の歓迎晩餐会が、戦友会の宿泊場所である「KKRホテル東京」において行われた。吉田会長は歓迎の挨拶において、「つばさ会と戦友会
との交流を更に増進し、相互理解を深めることで現役相互の関係強化及び、ひいては両国関係の発展に寄与していきたい。」と、両会の更なる関係発展を要望された。また、「相互理解の基本は、人と人との交流にある。」とも述べられた。一時期に比べれば、政府行政レベルや現役レベルの相互理解・交流が進展してきているものの、セカンドトラックとしての交流の重要性と継続の必要性を強く示唆された。続いて、李億秀戦友会会長も韓国側代表挨拶において、「戦友会とつばさ会が交流を重ねる毎に、相互理解及び関係の進展が図られている。」と評価をされ、「更に交流を深めていきたい。」と述べられた。

  次いで、現役代表として航空開発実験集団司令官 荒木空将による乾杯で晩餐会が始まった。食事とお酒が進むなか会話が弾み、晩餐会は次第に盛り上がり、各テーブルでは日本語、韓国語、英語に加えジェスチャーが入り混じった意思疎通が行われていた。また、李会長が現役時代のカウンターパートであった遠竹元航空幕僚長(前つばさ会会長)や、李会長と古くからの友人であり、常に日韓交流にご尽力を頂いている大串元航空総隊司令官にもご参加頂いた。最後に溝口副会長の音頭で納杯となった。
  晩餐会終了後、同ホテル内のラウンジに席を移し、多くの有志会員に参加を頂いて、晩餐会では語り尽くせなかった話題による忌憚のない意見交換を引き続き行い、更に親交を深めた。

2 10月21日(金)
(1) つばさ会主催朝食会
  21日は、吉田会長主催の朝食会から始まった。朝食会では、李会長から戦友会訪問団メンバーのお一人お一人についてご紹介があった。また、本交流事業の研修内容に関する意見交換等、朝食会は和やかな雰囲気の中で行われた。
(2) 部隊研修
  朝食会後、部隊研修として府中基地に所在する航空開発実験集団司令部へ向け出発した。同司令部においては荒木司令官以下、関係各位に真摯かつ暖かく対応して頂いた。荒木司令官への表敬では、李会長から「韓国で防衛駐在官として勤務された荒木司令官が立派な職に就かれていて、韓国側としても大変嬉しく思う。」との発言があった。ブリーフィングでは、空自の全般状況をビデオにより、開発実験集団の概要については司令官自らが演壇に立って説明された。昨今の北朝鮮の状況から、戦友会
からは日本のミサイル防衛に関する質問も行われたが、司令官は回答可能な範囲で丁寧に受け答えされていた。昼食は、支援集団司令官や基地司令である気象群司令にも同席頂き、基地会食場で心のこもったもてなしを受けた。航空開発実験集団司令官を始めとする関係各位の細やかな対応に対して感謝の意を表したい。
(3) 現地研修
  部隊研修の後一行は、富士方面の研修に向かった。紅葉の兆しが感じられる河口湖周辺や、澄み切った湧水で有名な忍野八海を散策し、日本の秋を満喫された。しかし、李会長以下が期待されていた富士山の姿は、雲に覆われた状況で残念ながら見ることが出来なかった。

3 10月22日(土)
 3日目は韓国側の計画により日光、鬼怒川方面の現地研修となり、滞りなく実施されたとのことである。日光東照宮及び周辺を研修され、鬼怒川温泉に宿泊されて英気を養われた模様である。

4 10月23日(日)
(1) 中央観閲式
   最終日は朝から天候にも恵まれ、中央観閲式は予定通り実施された。韓国戦友会は安倍総理の位置する観閲台のすぐ左隣り最前列付近の席であり観覧に絶好の場所であった。観閲式関係者の御配慮や諸調整に感謝申し上げたい。また、空幕総務部長には、現地での一行の出迎えから観覧スタンドに終始同席して頂く等の対応を頂いた。観閲式においては、整然と入場し整列した観閲部隊の士気の高さ及び飛行部隊による編隊飛行、徒歩部隊による整斉とした行進及び車両部隊による迫力満点の走行は、部隊の精強性を韓国空軍戦友会のメンバーに知ってもらうに良い機会であったと考える。










(2) 文化研修
  式典が終了し昼食を戴いた後、一行は都内の文化研修に向かった。江戸東京博物館では、江戸時代から現代にいたる日本人の文化・芸能に関する展示物と説明に興味を示されていた。その後お台場に向かい、日曜の午後で賑わうショッピングモール等を見学された。

(3) 空港見送り
  計画の全てを終了した一行は、羽田空港に向け出発した。空港には予定時刻に到着し、長島専務理事以下のつばさ会スタッフで見送りを実施した。全スケジュールを無事こなした一行からは、満足感と安堵の表情が伺えた。李会長からは、つばさ会会長以下のおもてなしに大変感謝しており、来年韓国でお会いできるのを楽しみにしているとの言葉があった。戦友会一行は、再会を誓い帰国の途についた。

 最後に、つばさ会と戦友会の交流事業は、今回も友好親善の目的を十分達成し、成功裏に終了したものと確信している。吉田会長には、本交流のほぼ全行程に渡って李会長に随行して頂いた。また、各イベントを担当して頂いたつばさ会スタッフの方々には、イベント毎の計画・調整・実行の各段階を積極的に協力して頂き心から感謝申し上げる。


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中島邦祐 理事