平成20年度つばさ会韓国訪問団派遣(第3回)報告


1 目的

    定期的な相互交流を通じ日韓双方の退役組織間の友好・親善を増進するとともに、部隊・施設訪問及びシンポジウムを実施して軍事及び民事両面に関する相互理解を深め日韓両国の関係向上に寄与する。

2  根拠
  (1) 「日韓合意書」(平成16年3月26日締結)
  (2) 平成20年度新生つばさ会業務計画

3 期間
  平成20年9月30日(火)〜10月3日(金)

4 参加者
  杉山 蕃会長以下15名

5 主要日程
  

  9月30日 出国
団長による韓国空軍戦友会会長への挨拶及び合同晩餐会
10月 1日 「国軍の日」建軍60周年記念式典参列
10月  2日  第19飛行団研修(忠州基地)
10月 3日  帰国

6 その他
  旅行経費はすべて参加者の個人負担です。

7 成果概要
  9月30日(火)訪韓団一行はアシアナ航空1015便で羽田空港を1305に発ち、約2時間後ソウル金浦空 港に着陸しました。空港では戦友会と今回の訪問でお骨折りをいただいた防衛駐在官の上ノ谷1 佐の出迎えを受け、宿舎であるソウル市内の空軍会館に 向かいました。
    夕刻は合同晩餐会が 開催され、カクテルタイムには日韓の顔馴染みが久々の再開を懐かしむ交歓風景があちこちで 見ら れました。晩餐会は日本側が上ノ谷1佐を含む 16名、韓国側は空軍参謀次長をはじめ現役、戦友会約30名が参加して行われまし た。
    日韓参加者全員の紹介に引き続き、戦友会ハン会長の日本語による歓迎の挨拶、杉 山会長の挨拶、記念盾交換、両会長による乾杯が行われ、空軍バンドが軽音楽を奏でる中、日韓の参加者は共通の知人の話題や相互訪問等の思 い出話や爆弾酒の指南など幅広い話題で盛り上がっていました。途中、日韓両国からそれぞれ3 人の代表がショートスピーチと乾杯の発声を行いましたが、韓国側の「空へ」の発声につづき、一 同が「宇宙へ」と応える乾杯が印象的でした。
    合同晩餐会は親善の実を結び盛会のうちに閉会し、参加者は日韓の友情を再確認し来年の再開を約して別れました。
    翌日10月1日は韓国軍の建軍記念日で「国軍の日」。これまでは国民の休日でしたが、現在は平日になっています。今年は建軍60周年記念とあって、5年ぶりにソウル市内パレードが行われました。訪韓団はオリンピック競技場だったチャムシル競技場での記念式典に参列しました。
    式典で李明博大統領は観閲部隊を前に、スローガンである「先進強軍」(先進国の一員として国際社会で責任を果たすこと及び軍を強化する)をめざし信頼される軍隊となるよう訓示しました。
    10月2日には、朝鮮半島のほぼ中央部にある忠州空軍基地の第19飛行団を研修しました。同飛行団はF-16を装備する韓国空軍の主力部隊のひとつであり、飛行団長はじめ韓国側のご好意により、部隊概要ブリーフィングや基地施設見学、搭載武器の展示や機動飛行デモなどを研修することができ、韓国空軍の実情を十分知ることができました。
    その他、史跡研修では戦争記念館(ソウル)、朝鮮時代の宮殿昌徳宮(ソウル)や文禄・慶長の役で戦場になった聞慶(セジェ)の史跡を訪ね、韓国の文化と歴史にも触れる機会を得ました。
    今回の訪韓で教科書や竹島などの問題を抱える日韓関係にあって、空軍という同じ経歴を持ち共通点の多いつばさ会と戦友会の友情を再確認することができ、その絆が一層深まったという点で多大な成果がありました。訪問の企画、調整及び諸準備にあたられた越智理事、佐原理事、菅谷理事と事前調整及び旅行アテンドで大変お世話になりました防衛駐在官上ノ谷1佐に心からお礼を申し上げます。詳しい訪問記は「新生つばさ会だより」に掲載される予定です。    (林理事記)